ここでは、軟骨無形成症の診断と、
現在、国内の保険診療で可能な治療について解説します。
軟骨無形成症の診断

軟骨無形成症の治療
軟骨無形成症に関係する診療科とスタッフ
表. 軟骨無形成症に関連のある診療科2,4,5)
診療科 | 説明 | 時期 |
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遺伝(子)診療科 | 軟骨無形成症の診断に関わったり、遺伝や家族計画に関する相談で関わることがあります。 |
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小児科 (特に小児内分泌の専門家) |
定期的な診察や発達の確認を受けることがあります。場合によっては小児内分泌科を紹介され、診断、疾患の管理や治療まで軟骨無形成症全般を診てもらうことがあります。 |
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小児整形外科・ 整形外科 |
骨形成、関節や手足の動き、痛みなどについて、診断や手術を含む治療、リハビリなどを受けることがあります。 |
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脳神経外科 | 大後頭孔狭窄や水頭症などのモニタや治療に関わる可能性があります。 |
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耳鼻咽喉科 (特に睡眠の専門家) |
中耳炎を防ぐためのチューブ挿入や、睡眠時無呼吸症の軽減のために扁桃腺やアデノイドの切除を行うことがあります。 睡眠時無呼吸症の検査・モニタについて、睡眠の専門家に診てもらうことがあります。 |
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呼吸器(内)科 (特に睡眠の専門家) |
呼吸に関する症状について、診断や治療を受けることがあります。 睡眠時無呼吸症の検査・モニタについて、睡眠の専門家に診てもらうことがあります。 |
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歯科 | 噛み合わせ、歯並びなど歯や口の中の症状について治療を受けることがあります。 |
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循環器(内)科 | 血圧チェック、心臓の病気に関するリスクのモニタや、心臓に関する問題に対処することがあります。 |
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治療やケアに関わる人々
軟骨無形成症の治療やケアには、医師や看護師、薬剤師以外にもさまざまな専門スタッフが関わっています。
- 臨床心理士
心理的もしくは感情的な問題に対してサポートすることがあります。 - 作業療法士
食事や入浴といった日常生活で必要な動作について相談したり、リハビリの指導を受けることがあります。 - 理学療法士
腕や足の曲げ伸ばし、指の動きなどの痛みを和らげたり、動きがよくなるようなリハビリの指導や困っている点の相談を受けることがあります。 - 栄養士
食事内容や体重管理について、指導を受けたり相談することがあります。
- 立花克彦ほか: 小児科診療 1997; 60(8): 1363–1369.
- 軟骨無形成症診療ガイドライン作成委員会、国立研究開発法人日本医療研究開発機構難治性疾患実用化研究事業「診療ガイドライン策定を目指した骨系統疾患の診療ネットワークの構築」研究班(研究開発代表者大薗恵一). 軟骨無形成症診療ガイドラインhttps://minds.jcqhc.or.jp/docs/gl_pdf/G0001121/4/achondroplasia_clinical_practice_guidelines.pdf(20210603参照)
- 北野元裕: “軟骨異栄養症の治療(4)外科的治療 1)上肢・下肢”. 改訂版 骨の病気と付き合うには 本人と家族のために. 清野佳紀. メディカルレビュー社, 2010, p67-73.
- Hoover-Fong, J. et al.: Pediatrics. 2020; 145(6): e20201010.
- Pauli, RM: Orphanet J Rare Dis. 2019; 14(1): 1.
- 『軟骨無形成症ってどんな病気?』2022年6月作成 APAC-VOX-00012